江戸時代等の象嵌作品を鑑賞後、加賀象嵌のキーホルダーづくり及び煮色着色を行います。「煮色着色」は特殊な着色液で作品を煮ることで、金属表面に薄い酸化膜を発生させ、着色する伝統技法です。今回のワークショップでは、この加賀象嵌の特徴の一つでもある「煮色着色」にスポットを当て、制作工程を学びます。
 キーホルダーづくり・煮色着色では、数種類の金属を使用し、着色前と着色後で、それぞれどのような色の変化が起こるかを観察します。

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主催者公益財団法人宗桂会 事務局

「金属工芸」 小学校高学年

こども工芸・ワークショップ「加賀象嵌ってどんなもの?煮色着色に挑戦!」

伝統工芸・加賀象嵌の制作工程を体験してみよう

加賀象嵌は石川県の伝統工芸です。
一連の制作工程を体験し、江戸時代から続く高度な伝統技法を学びます。

所要時間全180分

実施対象小学校高学年

つくりかた

1

請講師から加賀象嵌の歴史や技法についての説明を聞きます。

「昔は職人さんがたくさんいたんだね。」

 

2

江戸時代の加賀象嵌作品等を「色」に注目して観察します。
作品に使われている金属の色をワークシートに記入します。

「金属にもいろいろな色があるね。」
「5色見つけた!」

 

 

3

キーホルダーづくりに使用するベースの金属(葉っぱ型)を選びます。
着色前の色も観察し、ワークシートに色を記入します。

加賀象嵌を知っている人はいますか?
金属は何色のイメージかな?
作品の色をじっくり観察してみましょう。

1~3.うながしの言葉

4

象嵌の工程を体験します。
ベースの金属にあらかじめ彫られた溝に、鏨という道具を使って銀線を打ち込みます。

「おもしろい!」

5

銀線を嵌めこんだ葉っぱ型の金属板をやすりで磨いて仕上げます。

「かなり力がいるね。」
「ピカピカになったよ。」

6

煮色着色の準備をします。
脱脂に使用するだいこんおろしを作ります。

・道具を正しくつかって、安全に作業をしましょう。
・道具は大切につかってね。

4〜6.うながしの言葉

7

煮色着色の前に炭の粉等をつかって、葉っぱ型の金属板を磨き、金属の汚れや脂を落とします。

「黒い汚れがでてきたー」

 

8

だいこんおろしで
葉っぱ型の金属板を洗います。

「だいこんおろしで洗うなんて不思議~」
「料理みたいだね。」

9

煮色着色をします。
葉っぱ型の金属板を、硫酸銅と緑青を混ぜた着色液で煮ます。
金属の色が変化する様子を観察します。

「色が変わってきたー!」

丁寧に磨きましょう。うまく磨けると色がきれいに出ますよ。
煮色着色は火を使うので、慎重に作業をしましょう。

7〜9.うながしの言葉

10

着色後、それぞれの作品を観察します。
色がどのように変化したかワークシートに記入します。

11

講師から加賀象嵌に使用する金属(合金等)の説明を聞きます。
それぞれどのような色の変化をするのか色見本で確認します。

「象嵌には、いろいろな種類の金属をつかっているんだね。」
「工夫して”色”をつくっているんだね!」

12

色止めとしてキーホルダーにイボタ蝋(イボタムシから分泌される蝋)を塗り、キーホルダーの金具を取り付けます。完成したキーホルダーは持ち帰ります。

完成したキーホルダーを皆で見比べてみましょう。
どのような色の変化がありましたか。

10〜12.うながしの言葉

レシピ

こども工芸・ワークショップ「加賀象嵌ってどんなもの?煮色着色に挑戦!」

実施者の準備

【加賀象嵌ストラップづくり】 各人数分
ワークシート&バインダー 
キーホルダーベース(四分一など)
銀線
キーホルダー金具
象嵌道具一式
ニッパー
ヤットコ
強力両面テープ
【煮色着色】 各1点ずつ
硫酸銅/緑青(着色液)
重曹
おろし金
ガスコンロ
ボウル
大根
銅なべ
竹かご
カーボランダム
ドライヤー
イボタ蝋

各児童の準備

筆記用具
作業しやすい服装

開催を可能にする条件・設備

●実施時期

限定された条件は特にありません。

●実施場所

・座って作業できるスペース
・ガスコンロを使用しても良い場所
・水を汲んだりできる水道や手洗い場が併設された施設。

●講師・ファシリテーター

  • 金工作家 前田 真知子 氏
  • 金工作家 中島 ゆり恵 氏 【作家HP】http://yurie-n.com/

●機材等

 

成功させるコツ、ポイント

・最初に作品に使われている金属の色を観察してもらうことで、子どもたち自ら色の変化に気づいてもらう。
・先に古い時代の作品を鑑賞してもらい、実際の作業工程を体験してもらうことで、現代まで技術が継承されてきた「伝統工芸」について、子どもたち1人ひとりが感じて、考える機会をつくる。

ワークショップの生い立ち

今まで、象嵌体験、煮色着色体験はそれぞれ開催したことがあったが、どちらも一緒に行う体験はなかった。
加賀象嵌の技法や制作工程、素材等をより深く知ってもらうために、一連の作業を体験できる内容にした。

感想

・金属の色が変わって面白かった。
参加者
金属ではないような質感になった。
参加者
またやってみたい。
参加者
お母さんもやってみたい。
保護者
貴重な体験ができてよかった。
保護者
全体の体験時間は3時間程度あったため、子供たちの集中力が切れないか心配でしたが、皆さん集中してキーホルダーづくりに励んでくれたので良かったです。
主催者
ヤスリがけなどの作業は大変でしたが、参加者には加賀象嵌技法の難しさや1つの作品づくりにかかる手間を感じてもらえたと思います。
主催者

主催者情報

こども工芸・ワークショップ「加賀象嵌ってどんなもの?煮色着色に挑戦!」

伝統工芸・加賀象嵌の制作工程を体験してみよう

加賀象嵌は石川県の伝統工芸です。
一連の制作工程を体験し、江戸時代から続く高度な伝統技法を学びます。

メソッドコンテンツ開発者公益財団法人宗桂会 事務局
イベント名こども工芸・ワークショップ「加賀象嵌ってどんなもの?煮色着色に挑戦!」
会場宗桂会館
実施主体#公益財団法人宗桂会
実施協力団体一般社団法人 ザ・クリエイション・オブ・ジャパン
実施日2017年11月3日
ワークショップ参加人数6名
所要時間全180分
実施対象小学校高学年
本ワークショップに関するお問い合わせ先機関名  公益財団法人宗桂会 
担当部署 事務局
担当者  山口 早紀
TEL:076-257-4277 FAX:076-257-4250

公益財団法人宗桂会 公式HPお問い合わせ
http://www.soukeikai.or.jp/access/index.html
伝えたいこと#素材と道具を知る #伝統と歴史を教えたい
ジャンル#金属工芸
対象年齢#小学校高学年
所要時間#半日・100分以上
キーワード#煮色着色 #金属工芸 #加賀象嵌