CoJでは、21世紀鷹峯フォーラム3年にわたり、「絶滅危惧の素材と道具」研究会を、多くの機関や研究者のご協力のもとに行ってきました。
ここまでに得た情報をもとに、いま、この課題の解決に向けて、一般の方とともに、なにを行うべきかを考え、7本の動画を作成しました。
二つめの動画は、「根っこで繋がっている~ジャンルを越えて話そう」です。
■Behind the scenes 舞台裏から~ (CoJ岩関禎子)
ジャンルをわたる共通課題のありかについて、ここでは主題にいたしました。
異なるジャンルの方々の話し合いの場を持つことが、課題解決に向けた可能性が出てくる。そんな体験をしたのは、2016年の21世紀鷹峯フォーラム 東京の中の一つ、六本木で開催したこの課題に向け立ち上がる方々を招聘したイベント「NEXT100年」と、全国から集まったイエローリストを基に共通課題、課題解決への仮説を立てながら、専門家をお招きし京都、東京をビデオ会議でつないで開催した「イエローリスト・トリアージュ会議」です。
」
「NEXT100年」は私たちにとって大きな成果を得た機会で、前に進むことができた実感を持つことができました。
一般の人が、課題に触れ、深く学べる。
生産者の人が、普段触れ合うことができない使い手と対話することができる。
異なるジャンルで、頑張っていらっしゃる方同士で、情報交換が進む。
これが必要だ、つくって欲しいというような声を集めた共同発注も、起こせそうな印象を受けました。
文化庁、東京文化財研究所、東京都産業技術研究センターの方々との情報交換。
出展者同士で、「竹筬(たけおさ)」をつくる人が「膠(にかわ))」の確保に困っておられるとは知らなかった、この膠ならうまくいきますよ、というようなことが数多く見られました。
まさに、本課題に関わる、過去に実施されたすべての調査の巻末のまとめ文にどの記入者も挙げられた、「情報システム構築の必要性」。その一つのかたちでした。年に一度など、定期的に開催することで、かなり前進できる、そんな実感がありました。
定期的な開催や設置の可能性を、なんとか探りたいと思っています。
「イエローリスト・トリアージュ会議」では、集まったイエローリストから、ジャンルを超えた共通課題を抽出することから始まりました。イエローリストに挙がったものは、産業工芸から伝統芸能まで、課題に直面する人の大きさもさまざま。
会議の後も、その熱は続き、例えば会議で話題になっていた「あの助六の傘、つくりたいと言っている職人がいるよ」などの情報が会議の後にもさまざまいただいています。
この動画をご覧になって、ふうん、と思われた方には、次なる「場をつくる」アクションに、ぜひ協力していただきたく思っています。
多くの方が、自費でご協力いただけているこのプロジェクトですが、「NEXT100年」、この定期開催、設置には、出展者の交通費、わずかな謝金が必要なものがあります。
出展者に対して、次の機会、自力で自費でも来てくださるかをお尋ねしますと、作業を一日でも止める上、費用経費を自ら負担するのは躊躇される方がいらっしゃいます。
次回開催をどうするか、思案中です。