絶滅危惧の素材と道具

良いものづくりが可能である環境を未来へ…[7つの動画]3

CoJでは、21世紀鷹峯フォーラム3年にわたり、「絶滅危惧の素材と道具」研究会を、多くの機関や研究者のご協力のもとに行ってきました。
ここまでに得た情報をもとに、いま、この課題の解決に向けて、一般の方とともに、なにを行うべきかを考え、7本の動画を作成しました。

三つめの動画のテーマは、「川上を守れ」です。
7つの動画のうち、どれか一つおすすめをと言われたらこれが有力です。

 

■Behind the scenes 舞台裏から~( CoJ岩関禎子)

いちばん、わかりやすいものができました。

真竹が足りない。竹なんて日本のどこにでもあるじゃない、と思うような素材です。しかし竹林を守る人がいないために、使える竹がない、ということが、イエローリストによる声、それを元にした取材によって知りました。手に取るだけではわからなかったこと、動画というメディアのおかげで、一瞬にしてわかっていただけるものができました。

ねん糸のことも、知りませんでした。1本の素材がつくられている段階から、最終的な出来上がりを大きく左右するものであること。しかもその従事者が一斉にこの数年でいなくなるかもしれないこと。
ねん糸に使われる道具には、廃盤になり入手困難なものが多く、その工程を持続できるよう守っていくためには、廃業された方の道具を取り置いておくことが必要ですが、その場所や移設費用に困っていらっしゃいます。

これから、川下から川上まで手掛けられるようになった方々のそれぞれのストーリーやドキュメントを、年数回取材し、記事化していきます。みなさまそれぞれに応援できそうな活動も、あると思いますし、やってくださっている事業者に、こんなことはできないか? というお声も集まってくるかもしれません。

小さくてよいです。いまできる円環を、あらたに起こしていきましょう。